テンガイキツネノサカズキ
シロキツネノサカズキ近縁種?

* 2020.06.08 記
 2014年10月、2015年10月、11月に大阪府富田林市で見たシロキツネノサカズキに似たキノコ。
 シロキツネノサカズキは図鑑により差異があるが、春から夏に発生となっている。 これは、10月末以降に見ているので発生時期が合わない。
「北陸のきのこ図鑑」では、シロキツネノサカズキモドキについて晩秋〜早春に発生とある。しかし、シロキツネノサカズキモドキの胞子サイズ50〜65×15〜18.5μmとなっていて、このきのこの胞子のサイズに比べ2倍近い。
 結局、シロキツネノサカズキ近縁種としていました。
 先日、大阪府の四条畷市でシロキツネノサカズキを初めて見ました。秋に見た近縁種のことを取り上げたところ、のちに大阪市のMorさんより、
「日本菌学会会報2020年5月」に日本新産種としてテンガイキツネノサカズキが報告されており、胞子の両端に突起が有るのが特徴であり、私のHPの胞子の写真に合致しているとの指摘をいただきました。
 論文を執筆された大前宗之様に写真をお送りして見ていただきましたところ、形態的な特徴に基づく暫定的なものだが、「テンガイキツネノサカズキMicrostoma apiculosporumと同定」して問題ないとのご意見をいただきました。
 最初にご指摘いただいた大阪市のMorさん、わざわざ同定してくださった大前宗之様に感謝いたします。ありがとうございます。
 同定できなくても、しっかりと観察して記録しておくことが大切ですね。つい横着ばかりしていますが。





特徴的な子嚢胞子
胞子の両端に半球状の突起があり、
虚無僧の被る深編笠(天蓋)を想起させることに因んで和名が付けられている

2014.10 大阪府 富田林市



2015.10 大阪府 富田林市





胞子サイズをみるとモドキはつかない
しかし、色合い、季節、発生場所等
シロキツネノサカズキと不一致点があるので
近縁種?




10月 大阪 富田林市



11月 大阪 富田林市



20.10. 大阪 富田林市





胞子



子嚢先端部



側糸



白い毛の先端

テンガイキツネノサカズキ
シロキツネノサカズキ近縁種?


もどる   ホームへ